-
香港では、取引上の支払いは「Cash On Delivery 」が原則で、商品と引き換えに代金を支払う必要があります。
基本的に「売掛け・買掛け」はあり得ません。長く取引を継続し、信用が得られれば、支払いを待ってくれる事もありますが、それでも数日~1週間程度がいいところです。
即支払いを済ませないといけないと言っても、大金を現金の形で持ち歩くのは無用心ですし、「振込み」で支払う場合は、商品を受け取る前に手続きを行う事になるので、買い手から見れば不利です。
そこで、香港では、商取引上の支払いに「小切手」が良く使われます。
「小切手」が使われるのは、何も企業間の支払いだけでなく、個人の支払いでも良く使われます。
振込みと違って手数料も掛かりませんし。
実際、香港で銀行口座を開設すると、個人用の口座でも「Current Account(当座預金口座)」がセットになっており、小切手帳が貰える場合もあります。
無い場合は「Current Account(当座預金口座)」に「Current Account(当座預金口座)」をプラスして開設すれば小切手が使えるようなります。
小切手なんて、なんか、セレブっぽいですが、サインだして「好きな額書きな。」なんて事はしてはいけません。
ちなみに香港では「小切手」は「Check」ではなく、イギリス式に「Cheque」です。
と言う事で、今回は、小切手の使い方についてまとめたいと思います。
一口に小切手と言っても色々なタイプがあるのですが、香港では「Crossed Cheque」という形で使われるのが一般的です。日本人の間では「クロス・チェック」と呼ばれています。
これは、日本でも使われている銀行渡りの「線引き小切手」に相当します。
「Crossed Cheque」にしておけば、「支払人」が指定した名義の銀行口座へ入金する形でないとお金が支払われません。
つまり「受取人」にしてみれば小切手に記載された名義の銀行口座を持っていないと支払ってもらえない事になります。
支払人の当座預金口座から受取人の銀行口座へ支払いが行われる口座間取引となります。
「Crossed Cheque」にしておけば、万が一、小切手を紛失した場合でも、第三者への支払いを防止できます。
また、小切手帳にも2種類あり、最初から「Crossed Cheque」の様式になっているものと、なっていない「Bearer Cheque」があります。
(更に、支払人用の控えが付いたもの付かないものなどの区別もあります。)
「Bearer Cheque」は、書き方によって、現金化できる小切手になったり柔軟性があるのですが、香港では「Crossed Cheque」以外で支払いをする事は、まず、ありませんので、最初から「Crossed Cheque」様式の小切手帳を持っておくと安心です。
以下、具体的な記入例です。
この小切手は、「Bearer Cheque(無記名小切手、持参人払い小切手)」としても使える柔軟性がある様式です。

受取人の指定欄「Pay(Payee)」の右上の端に「OR BEARER」と記載されています。
単に受取人を指定しただけでは、小切手の「BEARER(所持人)」にも受け取りの権利が発生してしまいます。
また、特に指示が無ければ、小切手の現金化も可能です。
このタイプの小切手を「Crossed Cheque」として使うには、以下のように記載します。
小切手は、消えないインクで書く必要があります。(水性ペンはダメ。)

①まず、「Pay、Payee(受取人)」を記入します。
相手の名前、社名などです。受取人の口座の名義人と一致していないといけません。
②続いて支払い金額を記入します。
ここは、英語または漢数字で記載する必要があります。
漢数字と言っても「壱、弐、参・・・」と難しい字体を使う必要がありますので英語で書いた方が手っ取り早いと思います。
「HK$2,100」なら通貨単位は印刷されているので、「Two Thousand One Houndred」と記入し、最後に「Only」を付けます。(漢数字で書くなら、最後は「整」。)
出来るだけ詰めて記入しましょう。
その隣にアラビア数字で「2,100.00」とセント単位まで記入します。
セント単位は、分母に「XX」、分子に金額を記入する分数スタイルの記載が正規のやり方のようですが、そこまでしなくても大丈夫です。
③日付を記入します。
日月年の順になっているので、要注意です。月は数字で記入しても構いません。
以下2つが大事です。
④「OR BEARER」を斜線で消す。(受取人から所持人を除外する指示。)
⑤小切手の左上端に二重線を書く。(「Pay欄」で指定した名義の口座に振り込む形で支払う指示。現金化不可。)
これで、「Crossed Cheque」になりました。
⑥最後に、サイン欄にサインします。
社印を登録している場合は、これも必要です。
続いて「Crossed Cheque」様式の小切手の記入方法です。

中央に「Account Payee Only」と印刷されており、予め口座に入金する形でなければ支払われないようになっています。
また「Pay」欄の右端に「OR BEARER」とは印刷されていません。
このタイプは「Crossed Cheque」にする必要がないので、記入はシンプルです。

①まず、「Pay、Payee(受取人)」を記入します。
②続いて支払い金額を記入します。
セント以下の支払いが発生する場合は「Five Hundred and Fifty」のように「and」でつないでセント以下を記載します。
③日付を記入します。
④最後に、サイン欄にサインします。
後は、小切手を相手に渡せば支払い終了です。
相手が処理を行うと「Current Account(当座預金口座)」から小切手の額面分、残高が減ります。手数料は掛かりません。
なお、受取人が処理する前なら、振り出した小切手の支払いを停止することも可能です。
この処理は、インターネットバンキングの管理画面からできる場合もあるので、緊急の場合のためにチェックしておきましょう。
なお、小切手は、当座預金口座から支払われますので当座預金の残高が少ないようでしたら、入金しておくことを忘れずに。
「Saving Account(普通預金口座)」から「Current Account(当座預金口座)」に振替えてもOKですし、窓口やATMで現金を「Current Account(当座預金口座)」に入金してもOKです。
短期間に何度も不渡りを出すと、口座が強制的に閉じられてしまいます。
銀行によっては、不足分を一定の金額内で融通してくれるサービスを提供している場合がありますが、これは「Saving Account(普通預金口座)」に十分残高が有ることが前提となり、一種の貸出しですから利息も徴収されます。
ともかく、残高には注意が必要です。
一度、口座が強制的に閉じられると、以後、その銀行での口座開設が難しくなりますよ。
個人の支払いの場合は、当座預金口座は利子が付かないので、小切手での支払いの都度、必要な金額だけ振替えるように習慣付けても良いと思います。私はそうしています。
厚かった小切手帳も使っているうちに、すぐに薄くなってきます。
残りが少なくなったら、新しい小切手帳を申請しましょう。
銀行によってはインターネットバンキングの管理画面で申請できる場合もあり、これが手っ取り早い方法です。
小切手帳の残りが少なくなると現れる申込みカードを銀行へ持ち込んでも構いません。
後日、小切手帳が郵送されてきます。
なお、小切手帳は、無料の場合もあれば有料の場合もあります。
申込みの際は「Bearer Cheque」、「Crossed Cheque」の指定も忘れずに。
次は、受け取った小切手の入金方法です。
当然、小切手で支払うだけでなく、小切手で支払いを受ける場合もあります。
小切手を受け取ったら、金額や日付の記載に間違いがないか確認しておきましょう。
手続きは、自身の口座がある銀行で行います。(受け取った小切手の発行銀行ではありません。)
勿論、普通に窓口に並んで手続きする事もできます。
予め小切手の裏に入金先となる口座番号を書いておくと手っ取り早いです。
ただし、窓口は混む事が多いので時間が掛かります。
しかし、外国の銀行の小切手や米ドル建ての小切手の場合は、必ず、窓口に並ぶ必要があります。
長蛇の列に並びたくないなら、ATMと一緒に設置されている「Cheque Deposit Machine」を利用すれば入金が楽です。
必要事項を入力して、小切手を入れるだけです。小切手のスキャン画像が印刷された控えが貰えます。
この方法で入金できるのは香港ドル建て小切手ですが、最近は、米ドル建ての小切手も処理できる銀行もあるようです。
最も手軽なのは、小切手の裏に必要事項を記入して銀行に設置されている「小切手用のポスト」に放り込む方法です。
しかし、ちょっと心配ですよね。処理も遅いと言うデメリットもあります。
小切手の処理に掛かる時間ですが、小切手の発行銀行と入金先の銀行が同じで、営業時間内の処理なら当日入金されます。
しかし、小切手の発行銀行と入金先の銀行が異なる場合は、処理に数日要します。
小切手を銀行に持ち込んでも直ぐに口座に入金されるとは限らないので注意が必要です。
なお処理が滞る時は、銀行に問い合わせた方が無難です。
不渡りを疑う前に、相手がサインを間違っていたり、その他、記入ミスの可能性があります。
経験上でも、サインなどの記入ミスと言うのは稀にあります。
←気に入ったらクリックして下さい。
←ブックマーク登録
- (2008-11-14 21:50:50)
- SEARCH
- メニュー
-
- メニュー・カテゴリ
- アーカイブ
- 最近の記事
-
- ビジネスネタはありませんか?(10/23)
- 中国での商品調達での苦労中(07/04)
- 近況(04/20)
- 香港で小切手を活用する。小切手の書き方、入金の仕方。(11/14)
- 香港法人の商業登記証をネットで検索する(10/24)
- 最近のコメント
- 最近のトラックバック
- フィード
-
- メールマガジン
-
- 広告
-
- リンク
- ADMIN
